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印鑑で使われる主な書体について
こちらのページでは、印鑑で使われる主な書体について、それぞれ解説しています。
篆書体(てんしょたい)
篆書体は、とても古い書体です。
中国において、秦の時代(紀元前230年頃)に、始皇帝の指示で、
「小篆(しょうてん)」と言われる文字が出来ました。
小篆は、「大篆(だいてん)」と言われる文字が改良されて出来ましたが、
小篆の曲線部を抑えて、直線的にして、印章用にしたのが篆書体です。
篆書体は、印篆(いんてん)とも言われます。
また、篆書体の文字は縦長で、太さがほぼ一定です。
日本最古の印鑑と云われている「漢倭奴国王(かんのわのなのこくおう)」と刻まれている金印がありますが、
この金印の書体は、篆書体です。
また、日本銀行発行の紙幣に描かれている印鑑の書体は、篆書体です。
篆書体は、可読性が低く偽造されにくいです。
篆書体は、印鑑ではよく使用される書体です。
太枠篆書体(ふとわくてんしょたい)
太枠篆書体は、篆書体の印鑑の枠が、太枠になっています。
ですので、太枠篆書体の印鑑の枠は、欠けにくいです。
太枠篆書体は、ある大手通販サイトでは、女性に人気があるそうです。
印相体(いんそうたい)
印相体は、吉相体(きっそうたい)とも言われます。
印相体は、印面の中心から文字の線が上下左右斜めの八方に、末広がりになっているので、
八方篆書(はっぽうてんしょ)とも言われます。
印相体は、篆書体が元になって昭和の初期に考案された書体ですので、
歴史は浅いです。
また、印相体は縁起の良い書体と言われる場合があります。
また、印相体の特徴は、文字が枠線とくっついている点で、
印面全体を使って文字が書かれている場合が多いです。
また、印相体は文字が枠線とくっついているので、枠が欠けにくいという利点があります。
また、印相体は印影が複雑なので、可読性が篆書体よりも、さらに低いです。
しかし、実印登録をする場合に、印鑑の書体を印相体にすると、
審査に通らない場合が稀にあるそうです。
また、印相体は篆書体に次いで、よく使われる書体です。
隷書体(れいしょたい)
篆書体は、複雑で書きにくいため、篆書体を簡略したのが隷書体です。
隷書体は、中国の秦の時代から使用されていましたが、
漢の時代(紀元前206~紀元後220年)に普及しました。
隷書体は、日本銀行発行の紙幣の中の文字や、
新聞や、会社のロゴデザインなどに使われています。
また、隷書体は横長で、独特のトメとハネが特徴です。
また、隷書体は可読性が高いです。
また、隷書体は認印でよく用いられます。
古印体(こいんたい)
古印体は、隷書体と大和古印(やまとこいん)と言われる古い印鑑書体が原型となって、
7~8世紀頃に、日本で独自に作られました。
古印体は、文字の線に墨溜りや欠け途切れがあって、
丸みがあるのが特徴です。
古印体の墨溜りや欠け途切れは、鋳造物の金属にできた錆から発祥したと言われています。
また、古印体は可読性が高いです。
また、古印体は認印でよく用いられます。
行書体(ぎょうしょたい)
行書体は、楷書体を崩した書体です。
行書体は、楷書体と草書体の中間の書体として、中国で生まれました。
行書体は、現在は日本で一般的に幅広く使われています。
また、行書体は書道では、一般的な書体の1つです。
しかし、印鑑で使われることは少ないです。